(株)サカイiT経営

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先日妻がコロナ感染しまして、私も濃厚接触者になりました。当然私が看病というか、家事をすることになるのですが、これが想像以上に大変。ドラマや映画で仕事をしながら主夫になる話を視ていたので、何とかなるかな?と高を括っていましが、想像を超えて大変でした。

朝食朝は6:00に起き、朝食と昼食を作り、洗濯をして8:00に家を出ます。夕方17:00に戻り、洗濯ものを取り込んだ後夕飯の支度です。夕飯の支度の前に食器を洗い、夕飯を終えたらまたまた食器とキッチンを洗い、翌日のお茶を作り、炊飯器にご飯をセットする。台所を離れるのは20:00ぐらいで、そこから仕事です。

1日、2日はなんとかなりましたが、いつも21時、22時ごろまで仕事をしているので、当然仕事も溜まってきて、息子・娘にも沢山手伝ってもらいました。妻の仕事はこんなに大変だったのか!?と改めて思い知らされました。

そこでふと思いました。こんなに家事が大変なのに夫婦共働きって、どこまでできるんだろうと? 8:00に家を出て、17:00時に帰ってくるわけですから、通勤時間が30分だとすると、会社は8:30出勤の16:30退勤で勤務時間は昼の1時間を抜いて7時間です。我が家はまだ職場も学校も近いのでまだ余裕のある方です。子供たちも高校生、中学生と頼もしい年齢になっています。通勤に1時間かかり、子供もまだ幼いとなると勤務時間は6時間未満になることが容易に想像つきます。つまり、一般的な感覚で言えば、正社員として働けないことになります。(働ける会社は存在すると思います。)

私は今47歳で、私の両親の世代では共働きは珍しく、母は専業主婦でした。そして今、我が家は共働きですが、妻はパートで働いています。共働きの世帯割合は2019年68.1%になり、年々増加傾向にあります。ジェンダーレス社会と言われて久しくなりつつある現在、女性の社会進出も更に進み10年後には夫婦ともに正社員という家庭も増えることは容易に想像ができ、その際に、結婚前のカップルや夫婦間で家事分担について話題になることも予想がつきます。

共働きイメージそこで家庭と仕事の両立のポイントになるのは、料理などの家事の時間と子供の世話や会話の時間を家族でどう確保するかだと思います。育休期間は制度もあり1年ぐらいなら仕事上の影響はそれほどないとしても、子供が小学校低学年までのおよそ約10年間は夕方には親が自宅にいる必要があるケースが多いと思います。そうなるとその約10年間 正社員としてのブランクを空けることになり、現場の第一線で働くイメージとは大きくかけ離れてしまうことになります。雇用する企業側にとってもできる社員の戦力ダウンは惜しいところではないでしょうか。

そこで、夫婦ともに正社員として勤めるためにパッと思いつく対策は
①(夫婦の考えで)子供を作らない。食事は外食か相当に遅め。
②弁当・総菜のテイクアウトを利用する。
③ベビーシッターや家政婦を雇う。
④出社時間、帰宅時間は変則的で、帰宅後はリモートワーク。

と並べてみると、④が一番現実的で主流になりそうな気がしますがいかがでしょうか。建設業など現場の仕事が多く、リモートワークに適しにくいと思われる仕事も多くありますが、
優先順位を現場仕事>家事>事務仕事と置き、事務仕事をリモートワークにすることで、うまく両立されているケースも実際にあります。

一方、④を会社側からの視点で見ると、勤務時間や仕事進捗の把握が難しくなることは間違いありません。そうすると、仕事の評価も労働時間よりも仕事の質を求めることになる可能性が高いです。一つ一つの作業の標準時間を定める企業もでてくると思われます。または、リモートワーク中は、必ずパソコンのWEBカメラ前に着座しその様子を監視・録画したり、パソコンのキーボード操作を監視したりすることで、労働時間の把握を行う方法をとる企業もあります。方法は探せばありそうです。

人手不足の昨今、優秀な社員を確保すことは相当に難しくなってきました。採用力や離職率低減を強化するには給与や待遇面も重要な要素ですが、多様な働き方を認める柔軟な勤務体系もまたこれから重要な要素になりそうだと身をもって感じました。